Topics 2001

東亭順・桶本裕香子・小田恵理子・重野克明・白木ゆり・鈴木敬三・鈴木恋

羽藤明夫・平井正義の情報を掲載。 スクロールしてご覧下さい。


・Topics
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展 2002

・Part1 日本画による環展 平成14年1月28日(月)〜2月9日(土)         
・Part2 平面による環展
   平成14年2月18日(月)〜3月2日(土)

お蔭様でPart1,Part2ともに定員に達しましたので募集を締め切らせていただきます


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「音を描く」 白木ゆり

8月のアートギャラリー環での個展中に、白木さんに制作についてのコメントを求めたところ、次のような文面を画廊に届けてくれた。

1988年頃から私は、銅版画とドローイングを中心に制作しています。 
私は制作中に、あえて目を閉じます。
1997年以降の作品タイトルは"Sonic"と"Sound"。私を取り巻く全ての音をしまい込み、それらを少しづつ線にします。
聞こえてくる音を、そのまま描写するのではあるません。日頃様々な音を記憶にとどめておき、画面に向かった時にそれらの音がよみがえり、外界の音と私の呼吸、そして銅板や紙にあたるニードルやペンの音と感触とが確実に繋がった時に線が生まれるのです。
目には見えない大切なものを、見えるものと翻訳するのが私の仕事なのです。 2001年8月」

また、オーナーの川妻さち子とのインタビューにも快く応じてくれ、今回の個展のこと、これからの展開についてなど多くを語ってくれた。
普段知ることのない作家を一面が分かるこのインタヴューは一読の価値絶対あり!
白木ゆり特別インタ
ヴューはここをクリック!

 
白木ゆり展 会場風景より 2001年8月
撮影:栗木繁美(スタジオK1)
 



                                                                                     

羽藤明夫さん、群馬青年ビエンナーレ’01で優秀賞受賞

2001年6月にアートギャラリー環移転記念展で個展を開催した羽藤明夫さんが、7月、群馬県立美術館にて開催中の「群馬青年ビエンナーレ’01」で優秀賞を受賞した。
受賞作品は、<Forgotten family>邦題:忘れられた家族。
記憶の断片の全てをかき集めたかのような、これまでのカラー作品から一転し、今回はモノクロームで制作している。登場人物の動きも繊細さを増し、内容も作家の鋭敏な感覚がより明確に表れているようだ。
8月にはスカイパーフェクTVでの放映の決定している。

「群馬青年ビエンナーレ’01」
7月20日(金)〜9月2日(日)
月曜日休館(ただし、8月13日は開館)
群馬県立近代美術館
TEL:0273-46-5560

同作品を収録している羽藤さんのビデオ作品集「Where the Dream is」(税込\2,000)は、画廊にて販売中です。

 
受賞作品「Forgotten family」より 

                                                                                   


鈴木敬三さん、グランプリ受賞

1998年よりアートギャラリー環にて個展を続けている鈴木敬三さんがこの度「墨絵トリエンナーレ富山2001」
(富山県水墨美術館主催)で最優秀賞を受賞。
環での個展では常に「人のかたち」をテーマ発表している。2000年10月の個展ではモノクロームの世界での人体表現を展開していたことが、記憶に新しい。受賞作品「誘い」もまた彼が長年こだわりつづけている「人」が主題となっているようだ。この受賞が今後の作家の飛躍に、より大きな影響を与えることは確実である。

「墨絵トリエンナーレ富山2001」
7月7日(土)〜9月24日(月)
月曜休廊(但し8月13日、9月3日、24日は開館)
富山県水墨美術館(076-431-3719)

 

 

 




日本・現代・ハイツ」展

アートギャラリー環にて8月〜9月
に個展を開催予定の平井正義さんも
参加しているグループ展。
参加者は他に、泉沢儒花、篠原一平、高橋辰夫、山田大輔。
写真、オブジェ、映像など、作品形態も主題もさまざまではあるが、まとまりのある空間となっている。

7月12日(木)〜24日(火)まで
現代ハイツ/G・Hギャラリー

03-3469-1659にて。
尚、出品作家の紹介など、このグループ展に関する詳細は平井氏のHPに掲載中。

http://www3.tky.3web.ne.jp/~hirailab/




 

 

 

 

 


「日本・現代・ハイツ」展DMより

 



東亭 順
Jun  Azumatei

1998年のアートギャラリー環での初個展以来、活動を続けている。
2000年の画廊企画では、線の特徴をいかした素描を発表するが、 目下写真を素材とした作品を展開中。 3月1日(木)〜15日(日) 阿佐ヶ谷のカフェ・ギャラリー西瓜糖、6月18日(月)〜30日(日)マキイマサルFINE ARTS、 8月27日(月)〜9月8日(土)にはアートギャラリー環にて個展を開催。

多摩美のグラフィック科の出身もあり、 空間性、色彩 、構成力には目を引くものがある。デザイン的要素だけでなく、絵画としての描写 力、表現力も充分にあるだけに、 写真という新たな素材とどう格闘するのか、この新作展が楽しみである。

 
2001年 パネル,アクリル絵の具、インクジェット出力,光沢紙




重野克明
Katsuaki Shigeno

予備校時代初めて版画制作に取り組む。この4月からは藝大の院へ進む。同大学での学部の卒業制作展には、膨大な作品ファイルに混じりスケッチブックが置かれていた。喫茶店で出会った女なのか、窓の外の風景なのかスケッチともいたずら描きともつかない線の氾濫には、彼の「ふだん」がよく表れていた。一見抽象的な画面 にも見えるが、多くの作品には、魚、女、植物などが繰り返し登場する。スケッチブックから察する限り、これらもまた日々の中で作家が触れたものたちに違いない。「作品との距離を大切にしたい」。年齢にそぐわないほど落ち着いた口調で彼は言う。

2001年10月15日(月)〜20日(土)にアートギャラリー環開廊25周年記念企画Part1として新作を発表する予定。

 
「キュウリが主食」 環コレクションより




鈴木 恋   
Ren  Suzuki

とにかく強い。もちろん「性格が」ではなく、「作品が」である。昨年の初個展は搬入日からかなり緊張していたようだった。しかし作品は、重なり合い、分裂し、渦の中でぶつかり合う細胞あるいは、増殖する生命体をイメージさせのびやかで、若さに満ち溢れていた。 この3月に多摩美大学院の版画科を修了し、本格的な活動に入るが、乗り越えるべき壁はこれからも当然やって来るはずである。 80号、100号サイズの作品にも果 敢に挑むそのエネルギーで、今まで以上に大奮闘してほしい!!

6月11日(月)〜6月16日(日)移転記念企画Part3で、個展を開催する予定。

 




小田恵理子  
Eriko Oda

早い時期から、色彩や文様のパタンを組み合わせるキルトにも似た手法を独自のスタイルとして展開している作家である。だが、時にそうした「スタイル」が作家自身を苦しめ、次の作品展開を阻むこともある。これまでの作品の経過を見る限り、やはり彼女もそうした問題にぶつかったようだ。しかし卒制の「神代桜」では課題を残しつつも、そうした呪縛から解き放たれ、大きく前進したように思われる。この300号の大作を前に、現在の作家の意欲を感じない者はいないだろう。春からは多摩美大学院の日本画に進む。

2001年12月17日(月)〜22日(土)開廊25周年企画Part3で新作を発表する。

 
「神代桜」182.0×368.0cm 麻紙、岩絵具




羽藤明夫  
Akio Hato

絵画科に所属するものの学部3年次から映像の制作を始める。自作の原画でアニメーションを制作しているが、全ての工程を作家一人で行うため、1作品の完成までに1年以上の時間を費やす。絵コンテや脚本は一切書かず、まず1枚の絵を描くことが出発点となり、そこから次のイメージが湧いてくるという。常に他者との繋がりを意識して作品を作ってゆきたいと語る作者の映像は、はっきりとしたストーリーは無く、最低限の時間軸の流れと夢とも現実とも覚束ない世界が存在する。4月より藝大の博士課程へ進むが、これまでに築いた手法をどのように発展、充実させていくのか期待したい。2001年6月4日(月)〜6月9日(土)に開催される移転記念企画Part2では、新作「忘れられた家族」(未完)を含む作品を発表する。また、アニメーション・ビデオ(5話収録)\2,000(税込み)発売予定。只今、予約受付中。

 
 「いつか見た夢」 アニメーション




桶本裕香子  
Yukako Okemoto
    

この作家について語る時、画面に広がる鮮やかな赤色と、人体へと向けれらる作家の興味を無視することはできないだろう。1枚の写 真、あるいは雑誌の切り抜きから制作を始める作家は、常に人体の複雑なフォルムと、画面 との関係に視線を注ぐ。その視線は、時に画面の中に、より抽象化した表現を必要とし、またオイルパステル等の線による仕事も要求する。学部の頃より好まれた赤色も、近作では画面 を覆い尽くすのではなく、更に明確な理由と必要性をもって用いられるように思われる。11月19日(月)〜24日(土)開廊25周年企画Part2での個展が、女子美大学院修了後の最初の活動となる。

 
「井戸端会議」